
19.美しい田園と清潔な都市 |
19世紀の幕末の江戸と当時の西洋社会の違いは、人々の暮らしを支える風景にも端的に現れていました。 まず、田園地帯の美しさ。手入れの行き届いた田畑や多様な里山。特に国土の大部分を占める傾斜地を、稲作のために平らな水田として使うための工夫と努力。そのたまものである棚田と集落の風景の美しさに西洋人たちは驚嘆しました。 一方、当時としては、世界最大級の人口規模を誇る江戸の清潔さも彼らにとっては驚きでした。玉川上水などの水供給施設と井戸などの取水施設を組み合わせた高度な上水システム。近隣の田園地帯からの生鮮食料品の供給と排泄物や生ごみなどの都市廃棄物の処理(肥料としての活用)を、舟運を中心に一体的かつ合理的に取り扱う供給処理システム。これらの高度な都市システムは、暮らしの中で花や植物を愛する江戸市民の生活態度と相まって、この時代の西ヨーロッパの都市の水準からは飛びぬけて美しく清潔な百万都市江戸の姿を西洋人に印象付けたのです。 |
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